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見ごたえあり!『バタフライ・エフェクト』

(ストーリーが命の作品です。未見の方はネタバレを避けて劇場へ!)
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いやぁ、久しぶりに掛け値なしに面白い作品を観た。
ネタ切れと言われて久しいハリウッドで、ここまで独創的な脚本
を持った作品が現れようとは! 幸せな興奮に包まれた。

「もしも過去が少しだけ変えられたら・・・」(コピーより)
この「少しだけ」というのがミソである。
歴史的事実を変えたいとかいうのではなく、あくまで自分の周囲の日常
・・・これを変える為、誰かを守る為に主人公のエヴァンは奔走する。
タイムスリップの方法もユニークで、自分が書いた日記を読んだ時、
書かれている時代に自分の精神だけが飛ぶ。

蝶の羽ばたきが人間の脳のスキャン映像に重なるオープニン
グから、現在の追われているエヴァン、少年時代、ローティーン時代、そして現在に近いハイティーン時代、がランダムに繰り返される。
なぜか、頻繁に記憶を失う少年時代のエヴァン。
彼が覚えていない重要な事件が、彼の周囲の人々を変えたらしいと
だけ、おぼろげに理解できる。

少年時代、一部の記憶がないのは、そこに未来からエヴァンの精神
がやって来て、まるで取り憑くように入り込んでいたから。

自分自身に憑かれたエヴァンは、圧倒的な強さで過去の人々を一喝
し、一喝された人々は律儀なまでに、生き方を改める。
これが作用し、エヴァンの精神が戻ってきた時、周囲の状況は一変。
転落した人生から成功者へ、死体から恋人へと、めまぐるしく変化する。彼自身もまた過去から戻った後に、思いも寄らない状態になっている。
夢から覚めると現実が変わっている・・・こんなに恐ろしいことはない。
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観ているこっちは、人の不幸はそっちのけで、
「次はどうなる?」と期待しているわけで、エヴァンが両腕を失って
いる笑えない状態も、「そう来たか!」と膝を叩いてしまった。
「こうしたらこうなる」と解決法が決まっているわけではなく、
あくまで「過去で何かしたら現状が変わる」という、あまりに曖昧な
状況下で、危険を冒して過去へと旅するエヴァンに、
呆れと尊敬が入り混じった感情を覚えた。

脚本家のエリック・ブレスとJ・マッキー・グラバーは、6年も暖めた
本作の脚本を、他人に任せたくなくて監督までしてしまった。
そのエピソードが頷ける見事な脚本だ。
暴力描写や悲惨な状況も多いので、引く一瞬があるかもしれないが、
エヴァンの自己犠牲の精神と、相手を守る為に、自分が記憶している
愛の日々をなかったものにするという選択が、本作を単なるキワモノSFではない感動作に昇華させている。

この映画の偉いところは、序盤で投げた謎を、一つ一つ丁寧に
解決していくところだ。
少年時代のエヴァンが、なぜ猟奇的な絵を描いたか。
なぜ、一瞬ナイフを握っていたか。
本来の目的ではなく、チラッとタイムスリップした結果なのだ。

よく「そこから先は観客の皆さんで考えて欲しい。」などと
ふざけたことを抜かす映像作家がいる。
私にとって、それは手抜きでしかなく、「自分の作品は奥が深い。」と
勘違いさせる、無能な作家の罠である。
そんなのは中途半端なものを作った言い訳だし、未完成品を金を
取って見せているに過ぎない。
謎は謎のままじゃいけない。少なくとも私は許せない。

終盤近く・・・最初の現在に戻り、なぜ追われているかを見せた後、
最後のタイムトラベルに賭けるエヴァン。
「俺に近寄るな」と言うだけの為に・・・

何とか刑務所からも出られ、両腕も戻った。
母も友人も幸せに暮らしている。
それでも、彼女は失った。エヴァンの記憶はそのままなのが辛い。
最後の最後で、すれ違う二人。苦くも爽やかな余韻が残った。
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この作品に出会えたことに感謝したい。間違いなく本年のベスト3
に入る傑作だ。あちこちでも評判はいい。
拡大公開ではないのが惜しい。一人でも多くの人に観て欲しい。

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