お初にお目にかかります

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極上のサスペンス(例によってネタバレあり)

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観てからすぐに書けなかったが、『ザ・インタープリター』を観た。
ショーン・ペンとニコール・キッドマンの演技合戦、J・N・ハワードの音楽とともに持続する緊張感。練られた脚本とテーマ性はさすが職人=シドニー・ポラックだと唸らされた。

ニコール・キッドマン扮するヒロインのシルヴィアは、表向きこそ通訳=文民であり、暗殺計画の通報者でありながら、自身が暗殺対象者に恨みを持つような過去がある。さらに命も狙われる。
被害者であり、容疑者でもある微妙なスタンスが面白い。ポリティカル・サスペンスの中で、ヒロインは華を添えるくらいの役が多いが、今回はまぎれもなく本筋に関わり、謎を引っ張っていくのは彼女だ。この謎解きはラストまで持続する。
初の国際連合本部でのロケも素晴らしい。

それでもあえて言う。
この映画の最大のクライマックスはラストではない。
中盤のバスのシーン。シルヴィア、今回の暗殺のターゲットの政敵=クマン・クマン、実行犯のジャン・ガンバ・・・・この3名が導かれるように同じバスに乗り合わせてしまうのだ。
しかもシルヴィアにも、ジャン・ガンバにも、それぞれシークレット・サービスの尾行が付いている。SSの二人が、別々のスタートラインから同じバスに乗ってしまい、大慌てとなる。
残念ながら、ショーン・ペン演じるケラーは、無線で指揮を執る立場なので、この報告を聞いて叫ぶ。「一体、どうなっているんだ!?」あり得ないことが起こっているのだ。

シルヴィアは危険を顧みず、あえて政敵のクマン・クマンに直談判し、「君は勇気がある。」とまで言わしめる。今回の犯人は少なくともこの男ではないな・・・と我々も安心し、シルヴィアがバスを降りた直後、このバスは大爆発を起こす。ブルックリンの真中で。
この瞬間、思わず「わっちゃー・・・」という声が出てしまった。3すくみのサスペンス、SSの動き、結果どうなると思い切りハラハラして見守っていたら・・・最悪の修羅場で帰結してしまった。
テロの描写は見ていて辛いものの、ここまでやるかの大スペクタクル。
しかも、政敵=クマン・クマンと憎めないSSの若者は、一瞬で命を落とす。
このシーンを、ラストに持ってきてもいいくらい、見ごたえあった。

正直、この後はどうでもよくなってしまう。
ケラーは部下を失った悲しみから、シルヴィアに泣きながら詰め寄る。そのシルヴィアも、惨劇を目の前にし、あわやというところで命拾いしたショック状態。そんな二人の感情の高ぶりが頂点に達し、惹かれ合う・・・・って、いいのかよ!
シルヴィアは実は女戦死なので、人の生死は嫌というほど経験しているのかもしれない。でも・・・君のせいで大勢の人が死んでるわけよ。わかる?
ハリウッド映画ではよくあることだ。映画の中とはいえ、これだけ大事件を起こしたのなら、その落とし前はきっちりして欲しい。ここで私のこの映画への思いは、一気にトーンダウンした。

暗殺が大統領側の自作自演であったという結末も、「ふーん」くらいにしか思わなかったし、ラスト近くで突然シルヴィアがいなくなるのが、実行への布石であるのも、完全に見えてしまった。

さらにエンディング。大量虐殺を招いた大統領は、国連の法廷で有罪の判決。それまで、散々潜り抜けてきたのに、暗殺を自演しただけでなぜ?
もっとひどいのは、悪人(?)とはいえ国家元首の頭に銃を突きつけたシルヴィアが、本国への送還だけって・・・
(まあ、『ペリカン文書』のジュリア・ロバーツも、強引に正当防衛だったが。)

ラストは残念だったが、バスのシーンは、『アンタッチャブル』のシカゴ駅のシーンに匹敵する、映画史に残る名シーンになったと思う。





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